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レジ袋有料化は「新たな増税」、負担を強いるが環境問題とは無関係な理由


レジ袋有料化 武田教授が暴露する「レジ袋」追放運動という名の金儲けトリック


レジ袋有料化は新たな増税
DIAMOND online 2020.7.3 5:15 室伏謙一:室伏政策研究室代表・政策コンサルタント

レジ袋有料化は「新たな増税」、負担を強いるが環境問題とは無関係な理由
<開始
7月1日から始まったスーパーやコンビニなどでの「レジ袋の有料化」。プラスチックごみの海洋流出などの防止や国民の環境意識の高まりを目的としているようだが、実際は環境問題とは無関係であり、人々に「無用の負担」を強いるだけの誤った政策である。総務省の元官僚であり、総務省の外局の公害等調整委員会で公害・環境問題も担当した筆者が解説する。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

7月から始まったレジ袋の有料化
日本のプラごみの再利用率は高い


 7月1日からプラスチック製の買い物袋、いわゆるレジ袋の有料化が始まった。一方で、海洋生分解性プラスチックの配合率が100%の買い物袋やバイオマスプラスチックの配合率が25%以上の買い物袋、さらに厚さが50マイクロメートル以上の買い物袋は対象外とされている。

 今回の有料化、経済産業省の説明資料によれば、その一番の背景はプラスチックごみの海洋流出問題であるとされている。そこでプラスチック製の買い物袋を有料化することで、「その袋が本当に必要か考えてもらうきっかけに」するとともに、「マイバッグの持参などの消費者のライフスタイルの変革を促し、過剰な使用を抑制」すること狙っているのだそうだ。

しかし、同じ資料によれば、日本の陸上から海洋に流出したプラスチックごみ発生量は、2010年の推計で年2万~6万トンと、もっとも多い中国の年132万~353万トンと比べると、大幅に少ない。それでも出ていると言えば出ていることになるのだろうが、一般社団法人プラスチック循環利用協会による『プラスチックとリサイクル8つの「?」』によれば、廃プラスチックの総排出量に占める有効利用量(リサイクルに焼却灰の再資源化などを含む)の占める割合は、2018年の実績で84%と高い水準となっている。

 プラスチックのリサイクル方法には、(1)マテリアルリサイクル(リサイクルしてプラスチック製品化)、(2)ケミカルリサイクル(化学原料に再生)、および(3)サーマルリサイクル(燃料化など)があり、2018年の実績で、一般系廃プラスチックでは、(3)が59%、(1)が17%、(2)が6%となっており、単純焼却は12%、埋め立ては6%となっている。つまりは「燃料化して燃やすことが多い」ということだ。

 これについて「リサイクルとは名ばかりで燃やしているだけではないか」といった批判があるようだ。

 もっとも、ただ燃やしているのではなく、貴重なエネルギー源として使用しているのであれば、それも立派なリサイクルであるし、実際リサイクルの方向性として液化、燃料化というのは元々あり得たわけであり、「燃やす」という一点のみをもってそのリサイクル性を否定するのは、乱暴であり、批判のための批判としか言いようがないだろう。

 従って、日本はプラスチックごみが、多くはないとはいえ海洋に流出してしまってはいるが、リサイクルなどの有効利用は高度に行われているといえる状況であり、プラスチック製のレジ袋を有料化してごみの大幅な減量などを図らなければならない状況にあるとは言い難いのではないか。

日本が率先してレジ袋を有料化する違和感

 そもそもプラスチックごみの海洋流出は「プラスチック製品を使うかどうか」という問題ではなく、ごみになったプラスチック製品を「ごみとして、廃棄物として適正かつ効率的に処理する仕組みが整備され、機能しているのか」ということに関する問題である。

 平たく言えば、「十分な規模のごみ処理場が整備され、滞りなく稼働し、分別なども含めたごみ収集制度が完備され、国民もそれを理解し、それを守っているかどうか」という話。別の言い方をすれば、「廃棄物処理行政がしっかりと機能しているのか」という話である。

 つまり、プラスチックごみを大量に海洋に流出させてしまっている国というのは、それができていない可能性が高いということだ。

 本来進めるべきはそうした国々がしっかりとした廃棄物処理の仕組みを導入するよう促し、それを支援することのはずである(政府の「インフラシステム輸出戦略」には「海洋プラスチックごみ対策にも資する廃棄物処理」も盛り込まれているが、これはどうなったのだろう?)。

 それを「問題がない」とは言わないが、微小な日本が率先してレジ袋有料化を制度化するというのには非常に違和感を覚える。


「なぜなのか」と考えると、その原因の一つとして、日本において環境問題やごみ問題を考えるときに、両者が峻別(しゅんべつ)されず、混同されたままになっていることがあるように思う。

 そこで、両者の関係性について、ごみ問題はどうしたら環境問題になりうるのかという観点から整理してみたい。

「レジ袋=環境問題」は「根拠なきイメージ論」の域を出ない

 日本で「環境」や「環境問題」というものが意識されるに至ったきっかけは、昭和30年代から40年代の高度成長期に各地で発生した公害問題であろう。「公害」という言葉もこのころに生まれた。「公害」とは、環境基本法第2条第3項において次のとおり定義されている。

「環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。第二十一条第一項第一号において同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう」

 簡単に言えば、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、悪臭および地盤沈下のことであり、これらを総称して「典型7公害」とも呼ばれている。

 現在では「公害」という言葉よりも「環境問題」という言葉が多く使われるようになっているが、要するに、「環境問題」とは概念としては存在するが具体的な現象としては「典型7公害」であり、従って、ごみ問題についても、例えば、不法投棄されることによって悪臭、土壌汚染、水質汚濁などが生じて初めて「環境問題」になるのである。

 大規模な産業廃棄物の不法投棄事件として注目を集めた豊島産業廃棄物不法投棄事件は、総務省の外局である公害等調整委員会に係属したが、その際の正式名称は「豊島産業廃棄物水質汚濁等調停申請事件」であった。

 つまり、不法投棄によって瀬戸内海の豊島近海に水質汚濁が生じたことなどを具体的な被害として「環境問題」としたということである(なお、産業廃棄物の不法投棄は問題ではないということではなく、不法投棄によって生じた「公害」、「環境問題」を入り口として考えられているということである)。

 よって、レジ袋が無料のままで、使用後従前どおり捨てられ、廃棄物として処理されること自体は「環境問題」とは直接関係はないのである。

 仮に「環境問題」になるとすれば、ごみ焼却場でレジ袋を燃やすことによって、例えば大気汚染が発生して初めて「環境問題」になる。

 しかし、ごみ焼却場は大気汚染物質の外部への飛散防止のための装置が早くから導入されており、関係法令の規制基準を超える大気汚染等が発生することは考えられない。現在ではごみ焼却場の性能も飛躍的に向上してきているようであり、なおさらである。

仮に大気汚染が発生したとすれば、それは一義的にはごみ焼却場の運営の問題、当該焼却場を管理運営する地方公共団体の廃棄物処理行政の問題であって、直ちにレジ袋による「環境問題」になるわけではないのである。

 そもそもプラスチック製レジ袋の多くはそれ自体がリサイクル製品であるし、燃やしても有害物質を発生させないものもある。「レジ袋=環境問題」と短絡的に捉えるのは、「根拠なきイメージ論」の域を出ないものだと言ってしまった方がいいかもしれない。

「レジ袋の有料化」という誤った政策の施行を機に考えるべきこと

 ここで少し日本の「公害」「環境問題」関係の行政機関や制度について触れておこう。

 かつての「公害」と言えば、重厚長大型産業の事業所から垂れ流された汚水や排出された有害物質によるものであり、水俣病のように健康被害のみならず命を落とされた方々もいる。こうした「公害」による被害を防止するため、昭和46年に環境庁が設置され、環境に関するさまざまな規制法が制定、充実強化されていった。

 一方で、「公害」は、加害者は大企業、被害者は一般市民、つまり「強者vs弱者」という構図であることが多く、被害と原因の因果関係の証明も容易ではなかった。

 そうした弱者救済を、簡易迅速に行うことを目的として「公害紛争処理制度」が設けられ、環境庁発足より半年早く昭和45年に中央公害審査委員会が、47年にはこれが改組・機能強化されて公害等調整委員会が設置された(同委員会はかつては総理府の外局、現在は総務省の外局であり、筆者は総務省在籍時に同委員会事務局にも勤務したことがある)。

 このように、日本では「公害」や「環境問題」に対して、規制と被害者救済の両面で比較的早い段階から必要な制度の整備が進められており、その点では日本は先進的な国であるといえよう。ちなみにこの公害紛争処理制度、同種同様の制度が設けられているのは、日本以外では台湾と韓国のみである。

「環境問題」を漠としてしか捉えられないというのは、「環境」教条主義や原理主義につながり、過激な「環境」活動にまで発展する危険性さえある。同時に、人の活動を過剰に(往々にして法令の根拠なく)規制したり、今回のレジ袋有料化のように「無用の負担」を強いたりすることにもつながるものである。

 キャッシュポイント還元の終了と同時に実施されることから、レジ袋有料化は「新たな増税」とまで言われている。確かに、今回の有料化にかこつけて、プラスチック製のみならず紙製のものまで有料化するところもある。これではただの便乗値上げである。

「環境、環境」と唱えたり、レジ袋をもらわずにエコバッグやマイバッグなるものを持ち歩くのは悪いことではない。しかし、それらは「環境問題」とは無関係なのであるから、結果的に「自己満足の世界」にすぎない。本来なら、あくまでも「自分の世界」で完結していただきたいところだ。

 その上で、今回の「レジ袋の有料化」という誤った政策の施行を機に、「公害」や「環境問題」について先進国といえる日本の歩んできた道も振り返りつつ、「環境問題」とは何なのか、その本質や実態についての認識を新たにしていただきたいものである。
終わり>
https://diamond.jp/articles/-/242085



増税につぐ増税と、コロナでボロボロにされた日本経済を回復させるには
消費税を廃止して、レジ袋有料化も元に戻すしかなさそうですな



【関連記事】
・レジ袋有料化、経済危機に追い打ち。客にコストを押し付け、店の効率を阻害=斎藤満
・レジ袋、GoTo…中抜き&コロナ拡散政策か 丸山穂高議員、批判
・レジ袋有料化に芸能界から続々と異議。ネットも「反対」怒りの声




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